のし

カテゴリ : 
ブログ
執筆 : 
keian 2009-8-30 9:35
今日は伊勢志摩からの発信です。
美味し国なんていうキャンペーンをJRがしていたころに、あわびのステーキが看板の
志摩観光ホテルに行ったことを思い出していたら、<のし>の事を聞かれました。
<のし>とは、熨斗鮑の略です。細長くきった鮑の肉を薄くのばして乾燥したものです。
打ち鮑ともいい、本来は武士の出陣や儀式のときの肴ですが、転じて、、進物の添え物として祝意を表す事になりました。鮑の肉がながーく伸びるからですが、これがうすーくなって、熨斗紙というわけです。
鮑を水貝で食べられるのは、35歳までといわれるくらいに旨みは抜群でも新鮮なものほどかたいのです。上の娘の妊娠中に母親が<目のいい子が生まれるから>と、初めて水貝を食べさせてくれました。
そんななかで、とうふ屋桂庵では、鮑の柔らか煮をお出しすることがございます。柔らか煮と申しましても、実際は一度煮ました鮑を、煮汁ごと徹底的に蒸すわけです。
蒸す調理は、火のあたりが均一で煮詰まることがないのです。空いているガス台を使っての一日仕事です。これは、鮑本体よりも煮汁が最高なので、湯葉や煎り豆とともにご飯を炊きます。<伊勢せきや>の参宮鮑を頂戴して、発奮して作りました。
こんなご飯は、茶碗に盛るよりも、重箱につめたほうがよいように思います。15cm四方の重箱を10個もっています。
今ではお正月のおせち料理の盛り付けに使われるくらいですが、室町末期に重箱が誕生したころは、贈る容器としての格付けでした。江戸時代には婚礼道具として豪華な物も登場します。また、祝い事の贈答の場合は、<またありますように>とあえて洗わずに返し、不幸の場合は、洗って返したとのこと。華道正統則天門の家元に大豆を炊いてお届けしたときに、奥様が、<鍋を洗わないでお返ししますね>と優しくいってくださったことから知りました。知らないことのほうが多いのです。恥という字は耳を傾ける心と納得です。
 
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